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特別講演<性腺疾患〜思春期早発症を中心に>
国立成育医療センター 第一専門医診療部 内分泌・代謝科
医長 堀川玲子先生
小児科で外来診療を行っていますと、男女にかかわらず<乳幼児の乳房が大きくなってきていて心配です>というご相談をよく受けます。
そのほとんどは、原因不明の一時的なホルモンの分泌による影響だったりするのですが、中には①陰毛発生や腋毛発生、②性器出血、③身長増加促進が目立ってきて、思春期早発症というあまりみかけない病気が見つかったりもしています。この思春期早発症について、わかりやすく最近の情報も踏まえこの病気の第一人者堀川先生が講演してくださり、大変貴重な時間を過ごせました。
先生は、大変知的でチャーミングなかたでしたので、聴衆が飽きないように面白いスライドもいれつつ講演をして下さいました。
思春期早発症とは、いわゆる2次性徴が年齢不相応に早期に出現し、それに伴い身長の加速、骨年齢の加速などが異常に早く起こった場合をいいます。
この病気は、①早いうちに成長が止まってしまい、身長が低く(低身長)終わる可能性があること。②原因に、命にかかわる重篤な病気(頭蓋内腫瘍など)が存在する可能性がある。③2次性徴による社会的、心理的ストレスの発生などの問題点を常に抱えています。
女児においては①7歳6か月未満で乳房発育、②8歳未満で陰毛発生または小陰唇色素沈着または腋毛発生、③10歳6か月未満で性器出血、①から③までの症状に加え身長増加促進などが見られます。
血液検査で、血中のエストラジオール(E2)、血中LH/FSHを測定することが診断の手助けになります。
思春期早発症は、患者様内訳として、男児20%、女児80%と女児に多く見られる病気なのですが、そのうち女児90%は特発性(原因不明)である一方、男児の患者様の50%には頭蓋内腫瘍や副腎腫瘍や精巣腫瘍などの大きな病気(表参照)が隠れていることもあり、とりわけ注意が必要です。
2010年5月8、9日 国立京都国際会館にて第22回日本アレルギー学会春季臨床大会が開催されました。
大会期間中、座長任命された新平院長は、金曜日の診療が終了するやいなや、新幹線”のぞみ”に飛び乗り、大会参加ができました。副院長は、土曜日の診療終了後、娘ゆりを保育園から引き取り高速を使用し、京都に向かい、託児室のある日曜日に大会参加ができました。
皆様は、食物アレルギーにクラス1とクラス2があるのはご存知でしょうか?
クラス1食物アレルギーとは、皆様がよくご存知の、食物を食べることで感作(アレルギー体質)が成立してしまい、それを食べるとアレルギー症状(じんましん、喘息、下痢など)がでてしまうことです。
離乳食をはじめて間もない赤ちゃんによく見受けられます。
片や、クラス2食物アレルギーとは、花粉症を持つ患者さんが、その花粉と同じような抗原蛋白を持つフルーツや野菜に対して、以前おいしく食べていたにもかかわらず、突然、食べると口の中がかゆくなったり、体にじんましんが出現したりして、食べれなくなってしまうアレルギーです。
別名 pollen – food syndrome とも呼ばれています。
このクラス2食物アレルギーについての発展がよく見受けられました。
花粉と関連のある果物と野菜(図)は最近になって沢山判明してきています。
当クリニックでも、スギ、ヒノキ花粉症の患者様がトマトが食べられなくなったり、5月のゴールデンウィーク明けから目立ってきたイネ科(カモガヤ、ハルガヤ、マグサ、オオアワガエリなど)花粉症の患者様がウリ科(メロン、スイカ)やナス科(トマト、ジャガイモ)が食べれなくなったり、ゴム風船で口が腫れあがるラテックスアレルギーを引き起こすことがありました。
鼻閉・鼻水で苦しんでいた上に、大好きなフルーツや野菜が食べれなくなってしまい、本当に困ってしまいます。
又、それ以外としては「黄砂が健康に及ぼす影響」について報告がありました。
2008年2月1日から2008年6月1日までで、黄砂が目視できる日に、鼻炎や花粉症の症状が軽微ですが悪化したそうです。
スギ、ヒノキ花粉症+黄砂とこの時期はなかなか困りものです。
早くもっとよい根治療法を患者様に提供できると良いなといつも思っています。
| 花粉 | 関連のある果物 | ||
|---|---|---|---|
| カバノキ科 シラカンバ | バラ科 | リンゴ、モモ、サクランボ、ナシ、スモモ、イチゴ、ウメ、ビワ、アーモンド | |
| セリ科 | セロリー、ニンジン、フェンネル、コリアンダー、クミン | ||
| ナス科 | ジャガイモ、トマト | ||
| マタタビ科 | キウイ | ||
| クルミ科 | クルミ | ||
| その他 | ココナッツ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツ、マンゴー | ||
| スギ・ヒノキ科 スギ・ヒノキ | ナス科 | トマト | |
| キク科 | ブタクサ属 ブタクサ | ウリ科 | メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ、ウリ |
| バショウ科 | バナナ | ||
| ヨモギ属 ヨモギ | バラ科 | リンゴ、ピーナッツ | |
| セリ科 | ニンジン、セロリー | ||
| ウリ科 | メロン | ||
| マタタビ科 | キウイ | ||
| イネ科 カモガヤ・マグサ・オオアワガエリ | ナス科 | トマト、ジャガイモ | |
| ウリ科 | メロン、スイカ | ||
| ミカン科 | オレンジ | ||
| バショウ科 | バナナ | ||
| セリ科 | セロリー | ||
| その他 | ラテックス | ||
平成22年4月3日(土)メルパルクNAGOYAにて、藤田保健衛生大学小児科教授 宇理須厚雄先生 座長のもと、杏林大学皮膚科教授 塩原哲夫先生による「小児の乾燥性皮膚疾患のスキンケアと発汗障害」の講演がありました。
塩原先生のお話によると、ここ10年間において地球温暖化を反映してか平均的湿度が10%以上下がってきて人々の皮膚が乾燥しやすくなってきているようです。
また、発汗によって皮膚をしっとりさせていたのに、冷暖房完備による人々の発汗能力低下により、人々が自ら乾燥体質になってきていることもお話して下さいました。
汗は昔から、汗疹を引きおこす悪者として知られていましたが、近年は研究が進み、β‐defensinなどの抗菌ペプチドを含むため皮膚上の感染を予防したり、皮膚の湿潤を促す効果があることがわかってきています。
また、乾燥肌には発汗を伴う適度な入浴効果も大切であり、ゆっくりお風呂に入り、入浴後はすかさず保湿剤を塗ることで、皮膚の乾燥を予防または、治療する効果があるそうです。しかし、時にはかゆみを悪化させるため温度の調節が大切なようです。
ひどくかゆみ、赤みを伴う皮膚症状(湿疹)には、ステロイドを含む抗炎症外用剤が大変効果があります。しかし、ステロイド外用剤単剤塗布は皮膚の乾燥を増長させることがあるため、保湿剤塗布後にステロイド外用剤を塗る重ね塗りが良いと研究データの結果をもとに熱心に講演して下さいました。
患者様にまた新しい知識を提供できるすてきな講演でした。
平成21年10月31日、名古屋駅前、マリオットアソシアホテルにて、私達の出身大学でもある名古屋大学医学部小児科学教室(同門会順清会)の記念パーティーが開かれました。おりしも、今年は名古屋大学医学部小児科学教室100周年という記念すべき節目にも当たります。同門会幹事長は、副院長が指導を受けた江南医療センター副院長の尾崎隆男先生で、その関係で現在名古屋市民のためにとても頑張って下さっている名古屋市長 河村たかしさんがお祝いにおいでくださりました。そんな目出度いムードの中、一社アレルギー科・こどもクリニック院長 鳥居新平が 開業医としてはじめて、同門会順清会から功労者として表彰されました。(表彰状と記念メダル)
院長がこれまで、長い間、免疫・アレルギーの研究と臨床に従事し頑張ってきたことが、同門のみなさまから評価されたこと大変感謝しありがたく思っています。おりしも、平成21年は、院長の先妻陽子さんの13回忌でした。家族みんなで、最も大きな功績があった陽子さんにこのことを墓前で報告しました。(有り難うございました。)
今後も、名古屋大学医学部小児科学教室、同門会に恥じないよう、地域のみなさまにお役に立てるマイクリニックとして、近くて・信頼できて・話しやすいをモットーに頑張っていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
平成21年6月4、5、6日に、私(鳥居明子)の出身大学がある岐阜で日本アレルギー学会春季臨床大会が開催されました。会長は小児科教授の近藤直実先生で、私が大学生の頃、助教授をされていた大変優秀な先生です。今回のテーマは、”患者と地球にやさしい医療”です。悠久な流れの長良川と緑豊かな美しい金華山を眺めながらしみじみとテーマの意味を考えました。
鳥居新平先生は4日の午前から教育講演”アレルギー発症予知と予防ー 一次予防と母体・胎児環境ー”の司会をしました。この中で、近年日本ではアレルギー疾患の増加がめざましく、有病率は約30%に達する(厚生省アレルギー総合研究事業疫学班の調査より)とされているそうです。なかでも、小児アレルギー疾患の増加と低年齢化が認められています。講演者である佐々木聖先生は、大学教官を退官後大阪で開業され、現在、クリニックで診療をしながら産婦人科の先生方と共同研究をされており、そのデータを発表しつつ、最近の知見をお話しされました。出生時に母体血、臍帯血、羊水を採取し、2歳までのアレルギー発症にかかわる母体内環境因子をサイトカイン中心に検討したもので大変興味深いものでした。忙しいクリニック業を行いながら、常に新しい発見を追い求め研究する姿勢に、私はとても刺激をうけました。
ミニシンポジウムでは、全国のアレルギー科専門病院の先生方から、牛乳・卵・ピーナッツにおける経口免疫療法についての報告がなされました。この試みは、従来おこなわれてきた、ただ単に、食物アレルギー食品を除去するだけの治療だけではなく、安全な環境と安全に配慮した加工と食品量ですこしずつ食べてならすという試みであり、現在、アレルギー専門医がそろった専門病院で行われています。この公演会場には聴衆が満員で、アレルギー専門医の関心の深さが見て取れ、興味と熱気でムンムンでした。質疑応答が絶え間なく継続しておりその内容も大変勉強になりました。